酒飲みのためのパーティー

mikeの友人の40歳の誕生日パーティーに呼ばれた。同級生はみんなパーティーをしてきたので、かれこれ今年に入って5回目以上になる。いつもは誕生日プレゼントに苦労するのだけど、今回は主役が酒飲みだということで、すんなりいいウィスキー一本、で決まった。簡単簡単♪

6時からのパーティーだったので、1時間遅れの7時に行くことにした。アメリカのパーティーではたいてい後れて行く方が、迎える方も都合がいいのだ。7時すぎに彼の家に着いたら、三々五々人が集まっていて、裏庭で歓談していた。

なにせ酒飲みの家。まず主役は車庫の中にビール専用の冷蔵庫を持っている。ただの冷蔵庫ではなく、自家製ビールのために3つの蛇口をつけた冷蔵庫だ。Porter、Imperial Staut、もうひとつは忘れたけれど、2つとも本格的な味だった。私は運転手に徹することにして、味見しただけで1時間過ごした。

午後7時半。まだパーティーは本番を迎えた感じがしない。。。というのは、食べ物が一切出ないのだ。ポテトチップやおつまみさえ出てこない。誰かがバーベキューグリルをのぞいたら、シュウマイっぽい前菜が5〜6個並んでいただけだった。みんな思いは同じらしい。

午後8時。さすがに私はおなかがすいてきて、mikeに「どうなってるの?」と訊くと、「彼は昔から何かを企画するというのが苦手でボクもそれでケンカしたことがある」とのこと。こんなことだったら、差し入れに食べ物を持ってくるんだった。。。。

午後8時半、あまりにもおなかがすいたので、前代未聞だけれど、本人に断って外にご飯を食べに行くことにした。ところが、食べるところが探せども探せどども、ない。ストリートに出てみても、モーテル、モーテル、酒屋、バー、モーテル、酒屋。。。。。どう考えても治安が良い地域ではない。30分くらい放浪してやっとCarl's Jr.を見つけて入った。南カリフォルニアではマクドナルドと並んで有名なハンバーガーチェーン店だ。

ホッとしてハンバーガーをかじりながら、2人でふき出してしまった。「結婚記念日おめでとう！」だ。結婚記念日に友人のパーティーに出席して食いっぱぐれてハンバーガーショップで夕食。。。なかなかこんなことはない。

9時過ぎに会場に戻ってみたら、mikeの仲良しの高校時代の友人達も来ていた。だけど、まだ食事はナシ！友人達は食事を済ませて来ていたので、何の疑問もなく話で盛り上がった。話の中で私達のハンバーガーの話をしたら、みんな「あ〜、ありがち！」ということでまたまた盛り上がった。18歳の性格は40歳になってもあまりかわならいもののようだ。

結局食事が用意され始めたのは9時半過ぎ。友人達もみんな酒飲みらしく、食べ物も夕食ではなく「おつまみ」と捉えられていて、食べ物を持ってくる係の人も遅れてきて酒だけ飲む算段だったらしい。

しかしながら、その後は午前3時まで話し込み、まるで私達がハンバーガーを食べた話はなかったような盛り上がりようだった。今日が私達の結婚記念日だと言うと、グラフィックデザイナーだという主役の男友達は"自分が撮った写真だ"といって、白黒の菊の写真をくれようとしたけど、丁重にお断りしておいた（笑）