南カリフォルニア出戻り東京日日見聞録

17年間の南カリフォルニア生活にピリオドを打ち、東京に戻ってきました。2019年以前は「南カリフォルニア日日見聞録」、その後は半分アメリカ人みたいになって帰国したmishaの東京見聞録となります。

ゲイの人の立場

misha2009-01-14

この前の週末、義母の洋服の整理を手伝っていたら、洋服の間から子供用の茶色いエプロンが出て来た。義母が早速自慢そうに「これはね、mikeが小学生のときにHomemaker(家庭科)の時間に作ったのよ。」と言い出した。私もへ〜、と言って出来映えをチェックしてみたところ、縫い目がえらくきれいだ。そこへmikeがやってきて、「それオレが作ったんじゃないよ。。。」とむすっとしている。義母も「あら、そうなの?」と言って話はそれきりになった。エプロンには、"Everyone, come out of the closet for this party"(みんな、クローゼットから出て来てこのパーティに参加しよう)と書いてある。


しばらくしてもmikeが何だかむっとしているので、「何でそんなに怒ってるの?」と聞いてみた。そしたら、どうもこのエプロンの"coming out of closet"というのは「ゲイの人が自分の性同一性を公にする」という意味らしい。確かに日本でも「カミングアウト」までは言いますね。義母はエプロンの文字を素通りして「mikeのよ!」と言ってしまったものだから、まるでmikeは母親からゲイに認定されてしまったようなものだ。本当にこの義母と言う人は天然ボケで面白い。しかし、このエプロンはなぜうちにあるのだろう??


”Coming out”
From Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Coming_out


しかし、この一件のおかげで、数日後に見に行った映画『Milk』では”クローゼット”が連発されていたけれど意味がわかって助かった。(別にゲイ関係の映画を観よう、と思った訳ではなかったけど、現在上映されている映画で一番評価の高いものだったからだ。)そんなことよりも、この映画の内容も色々な意味で衝撃的だった。ショーン・ペンの演技のすばらしさもさながら、ゲイの人々の権利が現在ではだいぶ受け入れられている(ように見える)けれど、その背後には差別との戦いの歴史があったことが切々と描かれていた。アメリカの熱い歴史の一部だな〜、と思った。ちなみに、オレンジカウンティがゲイに対して全く理解のない保守的な地区として登場し、映画館では「やっぱり」という笑い声が挙がった。


ハーヴェイ・ミルク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハーヴェイ・ミルク
(※ノンフィクション映画なので読むとねたバレになります。)